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亀頭包皮炎

男性器が赤く腫れたり、陰部に違和感やかゆみを感じていませんか?

それは「亀頭包皮炎」という状態かもしれません。亀頭包皮炎は小さな男の子にもよく見られる身近なトラブルで、正しいケアと治療で改善できる病気です。過度に心配しすぎず、まずは症状や対処法について知りましょう。

陰茎先端の亀頭やそれを包む包皮に炎症が起きた状態を指します。

主な原因は亀頭や包皮の部分に細菌などが入り込んで繁殖し、感染を起こすことによります。乳幼児から学童期の男の子に特に多いですが、思春期以降の若い男性でも衛生状態の悪化や刺激などをきっかけに発症することがあります。

包皮と亀頭の間は汚れ(恥垢〈ちこう〉)がたまりやすく、菌が繁殖しやすい部分なので、清潔に保つことが大切です。

亀頭包皮炎は珍しい病気ではなく、適切に対処すればしっかり治る炎症です。特に幼い男の子の場合は自然に包皮がむけていく過程で起こりやすいもので、「よくある症状の一つ」と言えます。成人男性の場合も、不衛生な状態や軽い感染が原因で起こることがあり、性感染症(性病)とは限りません。

赤み・腫れ

亀頭および包皮が赤く腫れ上がります。見た目にも腫れているのがわかります。

痛み

触れたり排尿したりすると痛みを感じます。小さい子供の場合、痛みをうまく言えないので機嫌が悪くなったり、排尿を嫌がる様子で気づくこともあります。

かゆみ・ヒリヒリ感

患部にかゆみや軽い刺激感(ヒリヒリした感じ)が生じることがあります。

分泌物(膿)

包皮の先から膿のような黄色や白の分泌物が出る場合があります。感染が強いときは嫌な臭いを伴うこともあります。

ただれ・皮むけ

炎症によって皮膚がただれたり、赤いブツブツができたり、皮が薄くめくれることもあります。

排尿困難

腫れが強いと尿道口が圧迫され、おしっこが出にくくなることがあります。ひどい場合は尿が全く出せなくなる(尿閉)恐れもあり、この場合は早急な処置が必要です。

症状の程度には個人差があります。初期は赤みや軽い違和感程度でも、悪化すると痛みや腫れが増し、膿が出たり皮膚がただれることがあります。お子さんの場合、「痛い」と言えなくても泣いて排尿を嫌がるなど普段と違う様子が見られたら注意が必要です。

子供の場合
  • 汚れによる細菌感染
  • おむつ環境・摩擦
  • 包皮を無理にむいた刺激

子供の亀頭包皮炎は主に不衛生な状態と小さな傷が引き金となります。

特に2~5歳の幼児期に発症しやすいとされています。性的接触が原因ではありませんので、「性病ではないだろうか」と心配する必要はありません。適切に清潔を保つことで予防できますし、症状が出ても焦らず対処すればほとんどは改善します。

若年男性の場合
  • 不十分または過剰な洗浄
  • 物理的刺激(性交渉や自慰行為)
  • 性感染症によるもの
  • 真菌(カンジダ)感染

若年男性の亀頭包皮炎は、生活上の習慣や性的要因が絡むことが多いですが、基本的には清潔維持と適切な治療で治ります。大切なのは「これは性病かもしれない」と一人で悩まず、気になる症状があれば専門の泌尿器科で相談することです。当院でもプライバシーに配慮しつつ診察を行いますので、心配な場合は遠慮なくご相談ください。

「少し赤いけどそのうち治るかな…」と亀頭包皮炎を放置してしまう方もいます。しかし炎症を放置することはおすすめできません。適切なケアや治療をせずにいると、次のようなリスクがあります。

  • 症状の悪化・長期化
  • 慢性化や癒着のリスク
  • 他の病気や合併症の可能性

このように、亀頭包皮炎は放置することで症状が悪化・長期化したり将来的なトラブルの原因になりえます。幸い、適切な治療をすれば短期間で良くなるケースがほとんどです。「たかが包皮の炎症」と軽く考えず、違和感が続く場合は早めに受診して治してしまいましょう。

子どもの包茎は、亀頭包皮炎予防のために無理にむいたほうがいいですか?

いいえ、幼い子供の包茎は自然な状態なので無理にむく必要はありません。生まれたとき男の子は全員包茎であり、成長とともに徐々に包皮は剥けていきます。

思春期までの包茎は病的ではないため、幼児~学童期の間に「包皮が全部剥けていない」こと自体は心配いりません。むしろ無理に剥こうとすると皮膚に傷がつき、そこから細菌が入って亀頭包皮炎になる原因になります。日常的なケアとして入浴時に軽く洗い流す程度で十分です。

ただし、亀頭包皮炎を何度も繰り返す場合や、排尿のたびに包皮が風船のように膨らんでしまう場合(尿が包皮内に溜まる)などは、包皮口が狭すぎる可能性があります。その際は医師の指導の下で徐々に包皮を広げる処置を検討します。ステロイド軟膏を使って皮膚を伸ばしつつ安全にむく方法があり、自宅で勝手に行うより専門家に相談することをおすすめします。

なお、一度剥いた包皮を元に戻さないと亀頭を締め付けてしまう「嵌頓包茎(かんとんほうけい)」という危険な状態になるので注意が必要です。これは緊急処置が必要になるので、自己判断での無理な処置は避けましょう。

亀頭包皮炎は他人にうつりますか?パートナーへの感染は?

原因によります。亀頭包皮炎そのものは、不衛生による雑菌の感染など性行為と無関係に起こる場合も多く、その場合はいわゆる「性病(性感染症)」ではありません。

通常の細菌性の包皮炎であれば、直接相手にうつる可能性は低いとされています。ただし、性交渉時の摩擦でお互い小さな傷ができると、そこから相手に菌が移るリスクはゼロではありません。また、原因が淋菌やクラミジア、ヘルペスなどの性感染症による亀頭包皮炎であれば、コンドーム無しの性行為でパートナーに感染する可能性があります。

そのため、亀頭包皮炎の症状が出ている間は性行為やオーラルセックスなど粘膜同士の接触は避けることが大切です。特に若い男性では「もしかして性病かも」と不安になるかもしれませんが、実際には単なる皮膚の炎症であるケースも多いです。自己判断が難しい場合は泌尿器科で検査を受けましょう。当院でも必要に応じて性感染症の検査が可能です。原因に応じた適切な治療を行い、性感染症であった場合はパートナーも含めて治療することで完治しますので、ご安心ください。

治療したらどのくらいで良くなりますか?完治までの期間は?

症状にもよりますが、適切な治療を行えば多くは数日~2週間程度で改善します。

軽度の亀頭包皮炎であれば、軟膏を塗り始めて早ければ2~3日で痛みや赤みが引いてくることが多いです。通常は1週間もすればかなり良くなり、長くても2週間ほどで治まるケースがほとんどです。

ただし、真性包茎で患部を十分洗えない場合や、糖尿病などがあって治りにくい場合は完治までに時間がかかることもあります。治療開始後も症状が強い場合は経過を見ながら薬を追加したり変更したりしますので、自己判断で中断せず医師の指示どおり治療を続けてください。

再発予防のためにも、「良くなったかな?」と思っても処方された期間は軟膏の塗布を継続することが大事です。適切な治療を行えば必ず良くなる炎症ですので、ご安心ください。

当院では岩槻の地域の皆さまに寄り添った診療を心がけています。

亀頭包皮炎についても、診察時に症状や原因をわかりやすく説明し、軟膏の塗り方や日常生活での注意点まで丁寧にご案内します。「こんなことで受診していいのかな?」と迷う必要はありません。痛みや違和感が続くようでしたら、お気軽に当院へご相談ください。