排尿時の痛み

「排尿時の痛み（排尿痛）」は、男女問わず10代からご高齢の方まで幅広い年代で起こりうる症状ですが、特に女性に多くみられます。

原因は様々ですが、多くの場合膀胱炎などの感染症が関係しており、適切な治療で改善が可能です。「痛いけどそのうち治るかな…」と自己判断で放置せず、早めに専門医を受診して原因を調べることが大切です。当院でも、排尿時痛のお悩みに対応しています。

排尿時の痛みの症状と日常生活への影響

排尿時にヒリヒリとした痛みが生じ、頻尿や残尿感を伴うこともあります。そのため水分摂取を控えるなど日常生活に支障をきたすこともあります。

排尿時の痛みを引き起こす主な原因

膀胱炎: 膀胱に細菌が感染して炎症を起こす病気です。排尿時の痛みの原因として最も一般的で、特に女性に多く見られます。頻尿や残尿感を伴い、尿がにごったり血が混じることもあります。
尿道炎・性感染症: 尿道の粘膜に細菌が感染して炎症を起こす状態で、主な原因は淋菌やクラミジアなどの性感染症です。排尿時の最初に痛みを感じたり、尿道から膿状の分泌物が出ることがあり、男性に多い疾患です。
尿路結石: 腎臓から尿道にかけての尿路に結石（石）ができることで生じます。結石が移動する際に尿路を傷つけ、排尿時に鋭い痛みが走ることがあります。
前立腺炎: 男性の前立腺に炎症が起こる病気です。細菌感染による急性前立腺炎では排尿時の痛みとともに発熱や倦怠感を伴うことがあり、適切に治療しないと慢性化して長引く場合もあります。

腎盂腎炎などへの進行
- 膀胱炎などの感染症を治療せずにいると、細菌が腎臓まで達して腎盂腎炎（腎臓の感染症）を発症する恐れがあります。腎盂腎炎まで進むと入院治療が必要になる場合があります。
慢性化・再発
- 前立腺炎は慢性化することがあります。また膀胱炎も中途半端に治すと菌が残って繰り返し発症し、生活の質の低下を招いてしまいます。
感染の拡大
- 尿道炎を放置すると炎症が広がり、尿道が狭くなってしまいます。女性では感染に気づかず放置すると子宮や卵管にまで達し、将来的に不妊症につながる可能性もあります

「痛いけどそのうち治る」は危険！

「そのうち治るだろう」と自己判断するのは禁物です。一時的に痛みが和らいでも原因が残っていれば再び悪化する恐れがあります。症状に気づいたら、我慢せず早めに対処しましょう。

いつ受診すべきですか？: 排尿時に痛みや違和感を感じたら、早めに受診してください。特に血尿や発熱を伴う場合はすぐ受診が必要です。痛みが軽い場合でも2～3日続くようなら受診しましょう。
膀胱炎との違いは何ですか？: 膀胱炎は排尿時の痛みを起こす代表的な病気です。膀胱炎では排尿終わりに痛みや頻尿が出るのが特徴で、排尿の最初に痛む場合は尿道炎（クラミジア・淋菌感染症）が疑われます。症状だけで原因を判断するのは難しいため、医療機関で検査を受けて正確に診断してもらいましょう。
男性も排尿時の痛みになりますか？: はい、男性にも起こり得ます。男性では前立腺炎や尿道炎（性感染症によるもの）が原因となることが多く、尿路結石でも痛みが生じることがあります。

排尿時に痛みを感じたら、できるだけ早めに泌尿器科を受診しましょう。

原因に合わせた治療を行えば、膀胱炎や尿道炎といった感染症は短期間で改善することがほとんどです。早期治療によってつらい痛みから解放されるだけでなく、重い腎臓感染症への進行も防げます。

当院では、排尿時の痛み（排尿痛）の診療が可能です。つらい症状でお困りの方は、お一人で悩まずお気軽に当院へご相談ください。