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尿路結石の原因・症状・予防法|知っておきたい基礎知識

突然の激しい腰やわき腹の痛み。その原因は「尿路結石」かもしれません。

尿路結石は日本人の約10人に1人が一生のうちに経験するとされ、特に30〜60代の男性に多い疾患です。近年は食生活の欧米化や生活習慣の変化により、女性の患者さんも増加傾向にあります。

さらに厄介なのが「再発率の高さ」です。一度結石を経験した方の約半数が5年以内に再発するといわれており、予防の知識を身につけることが非常に大切です。

このコラムでは、尿路結石の原因・症状・検査・治療・予防法まで、泌尿器科専門医の視点から幅広く解説します。

「もしかして結石かも?」と不安を感じている方も、過去に結石を経験して再発を防ぎたい方も、ぜひ最後までお読みください。

目次

尿路結石とは、腎臓で作られた尿の通り道(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に石(結石)ができる病気の総称です。

結石は尿に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が結晶化し、少しずつ大きくなって形成されます。

結石ができる場所によって、以下のように呼び分けられます。

  • 腎結石
    • 腎臓内にとどまっている結石。痛みがないことも多く、健診で偶然見つかるケースがあります。
  • 尿管結石
    • 腎臓から膀胱への細い管(尿管)に落ちた結石。最も激しい痛みを引き起こしやすく、救急外来を受診される方も少なくありません。
  • 膀胱結石
    • 膀胱にできる、または膀胱まで落ちてきた結石。頻尿や排尿時の違和感の原因になります。

尿路結石は成分によっていくつかの種類に分かれます。

  • シュウ酸カルシウム結石(最も多い、全体の約70〜80%)
    • シュウ酸とカルシウムが結合して形成されます。食生活との関連が深い結石です。
  • リン酸カルシウム結石
    • 尿がアルカリ性に傾くとできやすくなります。尿路感染症に伴って発生することがあります。
  • 尿酸結石(約5〜10%)
    • プリン体の多い食事や肥満と関連が強く、痛風の方にも多く見られます。レントゲン(KUB)では映りにくいという特徴があります。
    • 結石の大きさ1cm以上が治療適応となります。
  • シスチン結石・リン酸マグネシウムアンモニウム結石
    • 遺伝的要因や慢性的な尿路感染が原因となる、比較的まれな結石です。

結石の成分を知ることは、再発予防の食事指導にも直結するため、排出された結石は捨てずに受診時にお持ちいただくことをおすすめします。

尿路結石ができる原因は一つではなく、複数の要因が重なって発症します。

代表的な原因を見ていきましょう。

水分不足

1日の水分摂取量が少ないと尿が濃縮され、結石の原因となる成分が結晶化しやすくなります。特に夏場や運動後に汗を大量にかいた後は要注意です。実際に尿路結石は夏から初秋にかけて発症のピークを迎えることが知られています。

食生活の偏り

シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草・たけのこ・チョコレート・紅茶・コーヒーなど)の過剰摂取は、カルシウムと結合して「シュウ酸カルシウム結石」を作りやすくします。

また、動物性たんぱく質(肉類)の摂りすぎは尿を酸性に傾け、尿酸やカルシウムの排泄量を増加させます。塩分の過剰摂取も尿中へのカルシウム排泄を促進するため、結石リスクを高める要因です。

生活習慣病との関連

近年の研究で、肥満・メタボリックシンドローム・糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病と尿路結石の関連が明らかになっています。尿路結石はもはや「生活習慣病の一つ」とも位置づけられており、普段の生活全体を見直すことが予防につながります。

遺伝的要因

ご家族に尿路結石の経験がある場合、ご本人も発症リスクが高いとされています。遺伝的な体質でシュウ酸やカルシウムを尿中に排泄しやすい方がいるためです。該当する方は、より意識的に予防策を実践することが重要です。

長時間の座り仕事

デスクワークなどで長時間座りっぱなしの生活は、尿の流れが滞りやすくなり結石形成を助長するといわれています。仕事中もこまめに立ち上がり、水分を摂りながら体を動かすことが大切です。

尿路結石の症状は、結石の大きさや位置によって大きく異なります。なかには痛みがまったくないまま進行するケースもあるため、注意が必要です。

突然の激痛(疝痛発作)

尿路結石で最も特徴的な症状が「疝痛発作(せんつうほっさ)」です。結石が尿管に詰まると、腰からわき腹にかけて突然激しい痛みが起こります。

あまりの痛さに冷や汗が出たり、じっとしていられなくなったりする方も多く、「人生で経験した中で最も痛い」と表現される方も珍しくありません。痛みは数十分から数時間続き、波のように強弱を繰り返すのが特徴です。

血尿

結石が尿管や膀胱の粘膜を傷つけることで、肉眼で見てわかる血尿(赤やピンク色の尿)が出ることがあります。痛みがなくても健診の尿検査で血尿(顕微鏡的血尿)が見つかり、精密検査の結果として結石が判明するケースも少なくありません。

吐き気・嘔吐

疝痛発作に伴い、強い吐き気や嘔吐が生じることがあります。これは痛みによる自律神経の反応で、腹痛と合わせて消化器の病気(胃腸炎や虫垂炎など)と間違われることもあります。

頻尿・残尿感

結石が膀胱付近まで下りてくると、トイレが近くなったり、排尿後も尿が残っているような感覚(残尿感)を覚えたりすることがあります。膀胱炎と似た症状のため、自己判断せずに泌尿器科で正確な診断を受けることが大切です。

発熱

結石による尿の流れの停滞に細菌感染が加わると、38度以上の高熱が出ることがあります。この場合は「閉塞性腎盂腎炎」を起こしている可能性があり、敗血症に進行すると命に関わるため、発熱を伴う腰痛や排尿症状がある場合は速やかに受診してください。

痛みのない結石(サイレントストーン)

腎臓内にとどまっている結石は、痛みなどの自覚症状がないまま大きくなることがあります。この「サイレントストーン」は健診の超音波検査やCT検査で偶然発見されるケースが多く、放置すると腎機能に影響を及ぼす可能性があるため、定期的な経過観察が必要です。

泌尿器科を受診すると、一般的に以下のような流れで検査・診断を行います。

尿検査

血尿の有無や尿路感染の兆候を確認します。結石が疑われる場合の基本的な検査です。

超音波(エコー)検査

放射線を使わず体への負担が少ない検査です。腎臓の腫れ(水腎症)や腎臓内の結石を確認できます。

CT検査

結石の位置・大きさ・数を正確に把握できる最も確実な検査です。ほぼすべての種類の結石を検出でき、治療方針を決めるうえで重要な役割を果たします。

血液検査

腎機能や感染の有無、カルシウム・尿酸などの血中濃度を確認します。結石の原因を探る手がかりにもなります。

尿路結石の治療は、結石の大きさや位置、症状の程度によって異なります。

自然排石を待つ(経過観察)

直径5mm以下の小さな結石は、水分を十分に摂りながら自然に排出されるのを待つことが基本です。痛みに対しては鎮痛薬を使用し、結石の排出を促す薬(α遮断薬など)を併用する場合もあります。多くの小さな結石は数日〜数週間で自然に排出されます。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

体の外から衝撃波を当てて結石を細かく砕き、尿と一緒に排出させる治療法です。体にメスを入れる必要がなく、外来や短期入院で受けられることが多い方法です。

内視鏡手術(TUL・PNL)

尿道から細い内視鏡を挿入し、レーザーなどで結石を直接砕く「経尿道的尿管結石砕石術(TUL)」や、背中から腎臓に直接アプローチする「経皮的腎砕石術(PNL)」があります。大きな結石やESWLで砕けなかった結石に対して行われます。

治療法の選択は結石の状態によって異なりますので、担当医とよく相談して最適な方法を決めましょう。

再発率の高い尿路結石は、日常生活の中での予防が非常に重要です。以下の5つのポイントを意識してみてください。

ポイント
十分な水分を摂る

最も大切な予防策は「水分を十分に摂ること」です。1日2リットル以上の水分(水やお茶)をこまめに摂取しましょう。目安として「1日の尿量が2リットル以上になること」が推奨されています。ただし、糖分の多い清涼飲料水やビールは逆効果になることがあるため注意してください。

ポイント
シュウ酸の摂りすぎに注意する

シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草・たけのこ・さつまいも・チョコレート・ナッツ類・紅茶・コーヒーなど)を食べるときは、カルシウムを含む食品(牛乳・ヨーグルト・チーズ・小魚など)と一緒に摂るのがポイントです。シュウ酸とカルシウムが腸内で結合して便として排出されるため、尿中へのシュウ酸の排泄が減少します。なお、カルシウムの摂取を控える必要はなく、むしろ適度に摂ることが結石予防につながります。

ポイント
塩分・動物性たんぱく質を控えめにする

塩分の摂りすぎは尿中のカルシウム排泄量を増やし、結石のリスクを高めます。1日の食塩摂取量は6g未満を目標にしましょう。また、肉類中心の食事は尿を酸性に傾けて尿酸結石のリスクも上がるため、魚・大豆製品・野菜・果物をバランスよく取り入れることが大切です。

ポイント
適度な運動を習慣にする

ウォーキングや軽いジョギングなどの適度な運動は、結石の排出を促す効果が期待できます。また、肥満の改善や生活習慣病の予防にもつながるため、1日30分程度の運動を習慣化しましょう。デスクワークが多い方は、1時間に1回は立ち上がって体を動かすことを意識してください。

ポイント
クエン酸を意識して摂る

クエン酸には尿中のカルシウムが結晶化するのを抑える働きがあります。レモン・グレープフルーツ・みかんなどの柑橘類や、酢の物・梅干しなどを日常的に取り入れるとよいでしょう。

結石は自然に出ますか?

直径5mm以下の結石であれば、多くの場合は水分を十分に摂ることで数日〜数週間のうちに自然に排出されます。ただし、それより大きな結石や、強い痛みが続く場合、発熱を伴う場合は治療が必要になりますので、泌尿器科を受診してください。

痛みがなくなったら治ったということですか?

必ずしもそうとは限りません。結石が尿管の中で位置を変えたことで一時的に痛みが治まることがあります。また、腎臓内の結石(サイレントストーン)は痛みがないまま大きくなることもあります。痛みが引いた後も一度は受診して、結石の有無を確認することをおすすめします。

尿路結石は何科を受診すればよいですか?

尿路結石の診断・治療を専門に行うのは泌尿器科です。激しい痛みで緊急性が高い場合は救急外来でも対応してもらえますが、その後の経過観察や再発予防も含めて、泌尿器科での継続的なフォローが大切です。

結石を予防するにはカルシウムを控えるべきですか?

いいえ、カルシウムの摂取を減らす必要はありません。むしろ適度なカルシウム摂取は、腸内でシュウ酸と結合して便として排出するため、結石予防に効果的です。カルシウム不足はかえって結石リスクを高めるという研究結果もありますので、乳製品や小魚などから適度に摂取しましょう。

「急に腰やわき腹が痛くなった」「尿の色がおかしい」「健診で血尿を指摘された」

このような症状や指摘がある場合は、早めに泌尿器科を受診してください。尿路結石は適切な検査で比較的スムーズに診断がつき、結石の大きさや位置に応じた治療が可能です。

また、過去に結石を経験された方は、再発予防のための生活習慣の見直しや定期的なフォローアップが重要です。

まゆみ泌尿器科内科クリニック(東武アーバンパークライン岩槻駅 徒歩1分)では、尿路結石をはじめとする泌尿器のお悩みに幅広く対応しております。結石の診断から治療後の再発予防まで、一貫してサポートいたします。

「こんな症状で受診していいのかな」と迷われる方も、どうぞお気軽にご相談ください。

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