
毎日何気なく行っているトイレですが、ふと尿の色が気になったことはありませんか?
いつもより色が濃い
なんだかピンクっぽい
白く濁っている
そんな変化に気づいたとき、不安を感じる方は少なくないでしょう。
実は、尿の色は体の健康状態を反映する重要なバロメーターです。水分量や食事の影響による一時的な変化もあれば、腎臓・膀胱・肝臓などの病気のサインが隠れている場合もあります。
このコラムでは、尿の色ごとに考えられる原因と、放置してはいけない危険なサイン、受診の目安まで詳しく解説します。
正常な尿の色とは
健康な方の尿は、薄い黄色〜麦わら色(うすい黄色)です。この色は「ウロクロム」という色素によるもので、体内でヘモグロビンが分解される過程で生成されます。
尿の色は1日の中でも変化します。水分を十分に摂っているときは薄い色、朝起きた直後や汗をたくさんかいた後は濃い黄色になります。これは正常な反応であり、心配はいりません。
ただし、水分量や食事では説明がつかない色の変化が続く場合は、体からの重要なサインかもしれません。
尿の色別チェック

- 無色透明
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水分を十分に(あるいは過剰に)摂取しているときに見られます。一時的であれば問題ありませんが、常に無色透明の尿が出ている場合は水分の摂りすぎのほか、糖尿病や尿崩症(尿を濃縮するホルモンの異常)の可能性があります。多飲多尿が続いている場合は一度検査をおすすめします。
- 薄い黄色〜麦わら色
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正常な尿の色です。適切な水分摂取ができている目安になります。
- 濃い黄色〜琥珀色(こはくいろ)
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水分不足で尿が濃縮されているサインです。朝一番の尿や、夏場・運動後に見られるのは正常ですが、1日を通して常に濃い黄色の場合は脱水の可能性があります。こまめな水分補給を心がけてください。
また、ビタミンB群のサプリメントを摂取した後は蛍光のような鮮やかな黄色になることがありますが、これは体に余分なビタミンBが排泄されているだけで心配いりません。
- オレンジ色
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脱水が進んで尿がさらに濃縮された場合や、ビタミンB群・にんじんなどカロテンを多く含む食品の摂取で見られることがあります。また、一部の薬(抗結核薬のリファンピシンなど)の影響でオレンジ色になることもあります。
ただし、脱水や食事・薬の影響が考えにくいのにオレンジ色が続く場合は、肝臓や胆管の異常の可能性があります。特に目の白目や皮膚が黄色っぽい(黄疸)場合は、早めに医療機関を受診してください。
- ピンク色〜赤色(血尿)
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最も注意が必要な尿の色の変化です。尿がピンクや赤色の場合、尿に血液が混じっている「血尿」の可能性があります。
血尿の原因として考えられる主な疾患は以下のとおりです。
- 膀胱炎
- 細菌感染による膀胱の炎症。排尿痛や頻尿を伴うことが多い
- 尿路結石
- 結石が尿管や膀胱の粘膜を傷つけて出血する
- 膀胱がん・腎臓がん
- 痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)は特に注意が必要
- 腎炎(糸球体腎炎)
- 腎臓のフィルター機能に炎症が起きている状態
- 前立腺肥大症・前立腺がん(男性)
- 前立腺の血管から出血する場合がある
なお、ビーツ(赤いかぶ)やブルーベリーを大量に食べた後、または一部の薬の影響で尿が赤っぽくなることもあります。食事や薬の影響が明らかな場合は心配いりませんが、原因に心当たりがない場合は必ず受診してください。
- 膀胱炎
- 茶色〜コーラ色
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尿が紅茶やコーラのような茶色の場合、いくつかの原因が考えられます。
- 重度の脱水
- 尿が非常に濃縮された状態
- 肝臓・胆管の異常
- 肝炎や胆石などでビリルビン(胆汁色素)が尿に混じっている
- 横紋筋融解症
- 激しい運動や外傷で筋肉が壊れ、筋肉の成分(ミオグロビン)が尿中に排泄される。腎障害を起こす危険がある
- 糸球体腎炎
- 腎臓の炎症により変性した赤血球が混じっている
茶色〜コーラ色の尿は重篤な疾患のサインであることが多いため、速やかに医療機関を受診してください。
- 重度の脱水
- 白く濁った尿(混濁尿)
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尿が白っぽく濁っている場合は、以下の原因が考えられます。
- 尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)
- 細菌や白血球(膿)が尿に混じっている。排尿痛や発熱を伴うことが多い
- 性感染症(STD)
- クラミジアや淋菌の感染で尿道から分泌物が出ている
- リン酸塩やシュウ酸カルシウムの析出
- 食事の影響で尿中の塩類が結晶化したもの。一時的であれば心配なし
混濁尿が排尿痛や発熱を伴う場合は感染症の可能性が高いため、早めに受診してください。
- 尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)
- 青色〜緑色
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非常にまれですが、以下の場合に見られます。
- 特定の薬の影響
- インドメタシン(鎮痛薬)、アミトリプチリン(抗うつ薬)、プロポフォール(麻酔薬)など
- 緑膿菌感染
- 特殊な細菌感染で尿が緑色になることがある
- 食品の着色料
- 青色や緑色の着色料を含む食品の影響
薬や食品の影響でない場合は、感染症の可能性があるため医療機関に相談してください。
- 特定の薬の影響
特に注意が必要な「無症候性血尿」
血尿の中でも特に注意が必要なのが、痛みなどの自覚症状がないのに血尿が出ている「無症候性血尿」です。
健康診断の尿検査で「潜血陽性」と指摘されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは顕微鏡でしか確認できない微量の血液が混じっている状態(顕微鏡的血尿)です。
無症候性血尿は膀胱がんや腎臓がんの初期症状である可能性があります。特に40歳以上の方、喫煙歴のある方は膀胱がんのリスクが高いため、潜血陽性を指摘されたら放置せずに泌尿器科で精密検査を受けてください。
尿の色の変化を放置するリスク
「一時的なものだろう」と尿の色の変化を放置することには、以下のようなリスクがあります。

- がんの発見が遅れる
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膀胱がんや腎臓がんの代表的な初期症状は血尿です。痛みがないために「大したことない」と放置してしまい、進行した状態で発見されるケースが少なくありません。早期発見・早期治療ができれば予後は大きく改善します。
- 腎機能の悪化
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糸球体腎炎や横紋筋融解症など、腎臓に影響を与える疾患を放置すると腎機能が低下し、最悪の場合は透析が必要になることがあります。
- 感染症の重症化
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尿路感染症を治療せずに放置すると、腎盂腎炎や敗血症に進行する危険があります。特に発熱を伴う尿の濁りは緊急性が高いサインです。
- 肝胆道疾患の進行
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オレンジ色や茶色の尿が肝臓・胆管の異常を反映している場合、放置すると肝機能がさらに悪化する可能性があります。
受診の目安
以下のような場合は、泌尿器科または内科を受診してください。
- 早めに受診すべき場合
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- 尿がピンク色・赤色(血尿)
- 健診で尿潜血を指摘された
- 尿が白く濁り、排尿痛や発熱がある
- 原因不明の尿の色の変化が2〜3日以上続いている
- 速やかに(当日中に)受診すべき場合
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- 尿が茶色〜コーラ色
- 血尿に加えて38度以上の発熱がある
- 尿の色の変化に加え、目の白目や皮膚が黄色い(黄疸)
- 激しい運動後に茶色い尿が出た(横紋筋融解症の疑い)
よくある質問
尿の色が気になったら
尿の色の変化は、体が発する大切なサインです。一時的な変化であれば心配いりませんが、原因不明の色の変化が続く場合や、血尿・混濁尿が見られる場合は、放置せずに医療機関で原因を調べることが重要です。特に痛みのない血尿は、がんの早期発見のチャンスでもあります。
まゆみ泌尿器科内科クリニック(東武アーバンパークライン岩槻駅 徒歩1分)では、血尿や尿の異常をはじめ、泌尿器科・内科のお悩みに幅広く対応しております。
「尿の色が気になるけれど、どこに相談すればいいかわからない」という方も、どうぞお気軽にご来院ください。
